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玉嶋は激怒した。
必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)のアンチを除かなければならぬと決意した。玉嶋は競馬がわからぬ。
玉嶋は、自称プロ(笑)である。ホラを吹き、信者と遊んで暮らしてきた。けれどもアンチに対しては、人一倍に敏感であった。
今日未明、玉嶋は村を出発し、野を越え山越え、十里離れたこの秋田のくそ田舎にやって来た。
玉嶋には父も、母もない。女房もいない。有象無象の、イマジナリー信者と二人暮らしだ。この信者は、村のある律儀なクリプト猫を、近々花婿として迎えることになっていた。結婚式も間近なのである。
玉嶋は、それゆえ、花嫁の衣装やら祝宴のごちそうやらを買いに、はるばる町にやって来たのだ。
まず、その品々を買い集め、それから都の大路(おおじ)をぶらぶら歩いた。
玉嶋には竹馬(ちくば)の友があった。あてた医である。今はこのXの町で、自称医学生(笑)をしている。
その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく会わなかったのだから、訪ねていくのが楽しみである。
歩いているうちに玉嶋は、町の様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、町の暗いのはあたりまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりではなく、町全体が、やけに寂しい。のんきな玉嶋も、だんだん不安になってきた。道で会った若い衆を捕まえて、何かあったのか、二年前にこの町に来たときは、夜でも皆が歌を歌って、町はにぎやかであったはずだが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。
しばらく歩いて老爺(ろうや)に会い、今度はもっと語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。玉嶋は両手で老爺の体を揺すぶって質問を重ねた。老爺は、辺りをはばかる低声で、僅(わず)か答えた。
「王様は、人を殺します。」
「なぜ殺すのだ。」
「悪心(あくしん)を抱いているというのですが、誰もそんな、悪心をもってはおりませぬ。」
「たくさんの人を殺したのか。」
「はい、初めは王様の妹婿様を。それから、ご自身のお世継ぎを。それから、妹様を。それから、妹様のお子様を。それから、皇后様を。それから、賢臣のNすず様を。」
「驚いた。国王は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。人を信ずることができぬというのです。このごろは、臣下の心をもお疑いになり、少しく派手な暮らしをしている者には、人質一人ずつ差し出すことを命じております。ご命令を拒めば、十字架にかけられて殺されます。今日は、六人殺されました。」
聞いて、玉嶋は激怒した。「あきれた王だ。生かしておけぬ。」
玉嶋は単純な男であった。買い物を背負ったままで、のそのそ王城に入っていった。たちまち彼は、巡邏(じゅんら)の警吏(けいり)に捕縛された。調べられて、玉嶋の懐中(かいちゅう)からは短剣が出てきたので、騒ぎが大きくなってしまった。玉嶋は王の前に引き出された。
「この短刀で何をするつもりであったか。言え!」暴君クリプト猫は静かに、けれども威厳をもって問い詰めた。その王の顔は蒼白(そうはく)で、眉間のしわは刻み込まれたように深かった。
「町を暴君の手から救うのだ。」と玉嶋は、悪びれずに答えた。
「おまえがか?」王は、憫笑(びんしょう)した。「しかたのないやつじゃ。おまえなどには、わしの孤独の心がわからぬ。」
「言うな!」と玉嶋は、いきり立って反駁(はんばく)した。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、民の忠誠をさえ疑っておられる。」
「疑うのが正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私欲の塊さ。信じては、ならぬ。」暴君は落ち着いてつぶやき、ほっとため息をついた。
「わしだって、平和を望んでいるのだが。」
「何のための平和だ。自分の地位を守るためか。」今度はメロスが嘲笑(ちょうしょう)した。
「罪のない人を殺して、何が平和だ。」
「黙れ。」王は、さっと顔を上げて報いた。「口では、どんな清らかなことでも言える。わしには、人のはらわたの奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、今にはりつけになってから、泣いてわびたって聞かぬぞ。」
「ああ、王は利口だ。うぬぼれているがよい。私は、ちゃんと死ねる覚悟でいるのに。命乞いなど決してしない。ただ、ー」と言いかけて、メロスは足元に視線を落とし、瞬時ためらい、「ただ、私に情けをかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えてください。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰ってきます。」
「ばかな。」と暴君は、しゃがれた声で低く笑った。「とんでもないうそを言うわい。逃した小鳥が帰ってくると言うのか。」
「そうです。帰ってくるのです。」メロスは必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を三日間だけ許してください。妹が私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この町にセリヌンティウスという石工がいます。私の無二(むに)の友人だ。あれを人質としてここに置いていこう。私が逃げてしまって、三日目の日暮れまで、ここに帰ってこなかったら、あの友人を絞め殺してください。頼む。そうしてください。」
それを聞いて王は、残虐な気持ちで、そっとほくそ笑んだ。生意気なことを言うわい。どうせ帰ってこないに決まっている。このうそつきにだまされたふりして、放してやるのもおもしろい。そうして身代わりの男を、三日目に殺してやるのも気味がいい。人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代わりの男を磔刑(たっけい)に処してやるのだ。世の中の、正直者とかいうやつばらにうんと見せつけてやりたいものさ。
「願いを聞いた。その身代わりを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。遅れたら、その身代わりを、きっと殺すぞ。ちょっと遅れて来るがいい。おまえの罪は、永遠に許してやろうぞ。」
「なに、何をおっしゃる。」
「はは。命が大事だったら、遅れて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」
メロスは悔しく、じだんだ踏んだ。ものも言いたくなくなった。
竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニスの面前で、よき友とよき友は、二年ぶりで相会うた。メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言でうなずき、メロスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。セリヌンティウスは縄打たれた。メロスはすぐに出発した。初夏、満天の星である。
メロスはその夜、一睡もせず十里の道を急ぎに急いで、村へ到着したのは明くる日の午前、日は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事を始めていた。メロスの十六の妹も、今日は兄の代わりに羊群(ようぐん)の番をしていた。よろめいて歩いてくる兄の、疲労困憊(ひろうこんぱい)の姿を見つけて驚いた。そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。
「なんでもない。」メロスは無理に笑おうと努めた。「町に用事を残してきた。またすぐ町に行かなければならぬ。明日、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」
妹は頬を赤らめた。
「うれしいか。きれいな衣装も買ってきた。さあ、これから行って、村の人たちに知らせてこい。結婚式は明日だと。」
メロスは、また、よろよろと歩きだし、家へ帰って神々の祭壇を飾り、祝宴の席を調え、間もなく床に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。
目が覚めたのは夜だった。メロスは起きてすぐ、花婿の家を訪れた。そうして、少し事情があるから、結婚式を明日にしてくれ、と頼んだ。
婿の牧人は驚き、それはいけない、こちらにはまだなんの支度もできていない、ぶどうの季節まで待ってくれ、と答えた。メロスは、待つことはできぬ、どうか明日にしてくれたまえ、とさらに押して頼んだ。婿の牧人も頑強(がんきょう)であった。なかなか承諾してくれない。
夜明けまで議論を続けて、やっと、どうにか婿をなだめ、すかして、説き伏せた。結婚式は、真昼に行われた。新郎新婦の、神々への宣誓が済んだ頃、黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨が降り出し、やがて車軸(しゃじく)を流すような大雨となった。祝宴に列席していた村人たちは、何か不吉なものを感じたが、それでも、めいめい気持を引きたて、狭い家の中で、むんむん蒸し暑いのも怺(こら)え、陽気に歌をうたい、手を打った。
メロスも満面に喜色(きしょく)をたたえ、しばらくは、王とのあの約束さえ忘れていた。祝宴は、夜に入っていよいよ乱れ華やかになり、人々は、外の豪雨を全く気にしなくなった。メロスは、一生このままここにいたい、と思った。このよい人たちと生涯暮らしていきたいと願ったが、今は、自分の体で、自分のものではない。ままならぬことである。
メロスは、我が身にむち打ち、ついに出発を決意した。明日の日没までには、まだ十分の時がある。ちょっとひと眠りして、それからすぐに出発しよう、と考えた。その頃には、雨も小降りになっていよう。少しでも長くこの家に愚図愚図(ぐずぐず)とどまっていたかった。メロスほどの男にも、やはり未練の情というものはある。今宵(こよい)呆然、歓喜に酔っているらしい花嫁に近寄り、
「おめでとう。私は疲れてしまったから、ちょっとご免こうむって眠りたい。目が覚めたら、すぐに町に出かける。大切な用事があるのだ。私がいなくても、もうおまえには優しい亭主があるのだから、決して寂しいことはない。おまえの兄のいちばん嫌いなものは、人を疑うことと、それから、うそをつくことだ。おまえも、それは知っているね。亭主との間に、どんな秘密でも作ってはならぬ。おまえに言いたいのは、それだけだ。おまえの兄は、たぶん偉い男なのだから、おまえもその誇りを持っていろ。」
花嫁は、夢見心地でうなずいた。メロスは、それから花婿の肩をたたいて、
「支度のないのはお互いさまさ。私の家にも、宝といっては妹と羊だけだ。他には何もない。全部あげよう。もう一つ、メロスの弟になったことを誇ってくれ。」
花婿はもみ手して、照れていた。メロスは笑って村人たちにも会釈(えしゃく)して、宴席から立ち去り、羊小屋に潜り込んで、死んだように深く眠った。
眼が覚めたのは翌る日の薄明の頃である。メロスは跳ね起き、南無三(なむさん)、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、約束の刻限までには十分間に合う。きょうは是非とも、あの王に、人の信実の存するところを見せてやろう。そうして笑って磔(はりつけ)の台に上ってやる。メロスは、悠々と身仕度をはじめた。雨も、いくぶん小降りになっている様子である。身仕度は出来た。さて、メロスは、ぶるんと両腕を大きく振って、雨中、矢の如く走り出た。
私は、今宵、殺される。殺される為に走るのだ。身代りの友を救う為に走るのだ。王の奸佞邪智(かんねいじゃち)を打ち破る為に走るのだ。走らなければならぬ。そうして、私は殺される。若い時から名誉を守れ。さらば、ふるさと。
若いメロスは、つらかった。幾度か、立ちどまりそうになった。えい、えいと大声挙げて自身を叱りながら走った。村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、隣村に着いた頃には、雨も止み、日は高く昇って、そろそろ暑くなって来た。メロスは額の汗をこぶしで払い、ここまで来れば大丈夫、もはや故郷への未練は無い。妹たちは、きっと佳(よ)い夫婦になるだろう。私には、いま、なんの気がかりも無い筈だ。まっすぐに王城に行き着けば、それでよいのだ。そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの呑気さを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。
ぶらぶら歩いて二里行き三里行き、そろそろ全里程の半ばに到達した頃、降って湧いた災難、メロスの足は、はたと、とまった。見よ、前方の川を。きのうの豪雨で山の水源地は氾濫し、濁流滔々(とうとう)と下流に集り、猛勢一挙に橋を破壊し、どうどうと響きをあげる激流が、木葉微塵(こっぱみじん)に橋桁(はしげた)を跳ね飛ばしていた。彼は茫然と、立ちすくんだ。あちこちと眺めまわし、また、声を限りに呼びたててみたが、繋舟(けいしゅう)は残らず浪に浚(さら)われて影なく、渡守りの姿も見えない。
流れはいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている。メロスは川岸にうずくまり、男泣きに泣きながらゼウスに手を挙げて哀願した。「ああ、鎮めたまえ、荒れ狂う流れを! 時は刻々に過ぎて行きます。太陽も既に真昼時です。あれが沈んでしまわぬうちに、王城に行き着くことが出来なかったら、あの佳い友達が、私のために死ぬのです。」
濁流は、メロスの叫びをせせら笑う如く、ますます激しく躍り狂う。浪は浪を呑み、捲き、煽(あお)り立て、そうして時は、刻一刻と消えて行く。今はメロスも覚悟した。泳ぎ切るより他に無い。ああ、神々も照覧あれ! 濁流にも負けぬ愛と誠の偉大な力を、いまこそ発揮して見せる。
メロスは、ざんぶと流れに飛び込み、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂う浪を相手に、必死の闘争を開始した。満身の力を腕にこめて、押し寄せ渦巻き引きずる流れを、なんのこれしきと掻(か)きわけ掻きわけ、めくらめっぽう獅子奮迅(ししふんじん)の人の子の姿には、神も哀れと思ったか、ついに憐愍(れんびん)を垂れてくれた。押し流されつつも、見事、対岸の樹木の幹に、すがりつく事が出来たのである。ありがたい。
メロスは馬のように大きな胴震いを一つして、すぐにまた先きを急いだ。一刻といえども、むだには出来ない。陽は既に西に傾きかけている。ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠をのぼり、のぼり切って、ほっとした時、突然、目の前に一隊の山賊が躍り出た。
「待て。」
「何をするのだ。私は陽の沈まぬうちに王城へ行かなければならぬ。放せ。」
「どっこい放さぬ。持ちもの全部を置いて行け。」
「私にはいのちの他には何も無い。その、たった一つの命も、これから王にくれてやるのだ。」
「その、いのちが欲しいのだ。」
「さては、王の命令で、ここで私を待ち伏せしていたのだな。」
山賊たちは、ものも言わず一斉に棍棒(こんぼう)を振り上げた。メロスはひょいと体を折り曲げ、飛鳥(ひちょう)のごとく身近の一人に襲いかかり、その棍棒を奪い取って、「気の毒だが、正義のためだ!」と猛然一撃(もうぜんいちげき)、たちまち三人を殴り倒し、残る者のひるむ隙に、さっさと走って峠を下った。一気に峠を駆け降りたが、さすがに疲労し、折から午後の灼熱(しゃくねつ)の太陽がまともにかっと照ってきて、メロスは幾度となくめまいを感じ、これではならぬと気を取り直しては、よろよろ二,三歩歩いて、ついに、がくりと膝を折った。
立ち上がることができぬのだ。天を仰いで、悔し泣きに泣きだした。ああ、あ、濁流を泳ぎ切り、山賊を三人も打ち倒し、韋駄天(いだてん)、ここまで突破してきたメロスよ。真の勇者、メロスよ。今、ここで、疲れ切って動けなくなるとは情けない。愛する友は、おまえを信じたばかりに、やがて殺されなければならぬ。おまえは、希代(きだい)の不信の人間、まさしく王の思うつぼだぞと自分を叱ってみるのだが、全身震えて、もはや芋虫ほどにも前進かなわぬ。路傍(ろぼう)の草原にごろりと寝転がった。身体疲労すれば、精神も共にやられる。もう、どうでもいいという、勇者に不似合いなふてくされた根性が、心の隅に巣くった。
私は、これほど努力したのだ。約束を破る心は、みじんもなかった。神も照覧、私は精いっぱいに努めてきたのだ。動けなくなるまで走ってきたのだ。私は不信の徒ではない。ああ、できることなら私の胸を断ち割って、真紅の心臓をお目にかけたい。愛と信実の血液だけで動いているこの心臓を見せてやりたい。けれども私は、この大事なときに、精も根も尽きたのだ。私は、よくよく不幸な男だ。私は、きっと笑われる。私の一家も笑われる。私は友を欺(あざむ)いた。中途で倒れるのは、初めから何もしないのと同じことだ。ああ、もう、どうでもいい。これが、私の定まった運命なのかもしれない。セリヌンティウスよ、許してくれ。君は、いつでも私を信じた。私も君を欺かなかった。私たちは、本当によい友と友であったのだ。一度だって、暗い疑惑の雲を、お互い胸に宿したことはなかった。今だって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。ありがとう、セリヌンティウス。よくも私を信じてくれた。それを思えば、たまらない。友と友の間の信実は、この世でいちばん誇るべき宝なのだからな。セリヌンティウス、私は走ったのだ。君を欺くつもりは、みじんもなかった。信じてくれ!私は急ぎに急いでここまで来たのだ。濁流を突破した。山賊の囲みからも、するりと抜けて、一気に峠を駆け降りてきたのだ。私だからできたのだよ。ああ、このうえ、私に望みたもうな。放っておいてくれ。どうでもいいのだ。私は負けたのだ。だらしがない。笑ってくれ。王は私に、ちょっと遅れて来い、と耳打ちした。遅れたら、身代わりを殺して、私を助けてくれると約束した。私は王の卑劣を憎んだ。けれども、今になってみると、私は王の言うままになっている。私は遅れていくだろう。王は、独り合点(がってん・がてん)して私を笑い、そうしてこともなく私を放免するだろう。そうなったら、私は、死ぬよりつらい。私は、永遠に裏切り者だ。地上で最も不名誉の人種だ。セリヌンティウスよ、私も死ぬぞ。君といっしょに死なせてくれ。君だけは私を信じてくれるにちがいない。いや、それも私の、独りよがりか?ああ、もういっそ、悪徳者として生き延びてやろうか。村には私の家がある。羊もいる。妹夫婦は、まさか私を村から追い出すようなことはしないだろう。正義だの、信実だの、愛だの、考えてみればくだらない。人を殺して自分が生きる。それが人間世界の定法ではなかったか。ああ、何もかもばかばかしい。私は醜い裏切り者だ。どうとも勝手にするがよい。やんぬるかな。ー四肢(しし)を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。
「ああ、メロス様。」うめくような声が、風とともに聞こえた。
「誰だ。」メロスは走りながら尋ねた。
「フィロストラトスでございます。あなたのお友達セリヌンティウス様の弟子でございます。」その若い石工も、メロスの後について走りながら叫んだ。「もう、だめでございます。無駄でございます。走るのはやめてください。もう、あの方をお助けになることはできません。」
「いや、まだ日は沈まぬ。」
「ちょうど今、あの方が死刑になるところです。ああ、あなたは遅かった。お恨み申します。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!」
「いや、まだ日は沈まぬ。」メロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕日ばかりを見つめていた。走るより他はない。
「やめてください。走るのはやめてください。今はご自分のお命が大事です。あのか方は、あなたを信じておりました。刑場に引き出されても、平気でいました。王様がさんざんあの方をからかっても、メロスは来ますとだけ答え、強い信念をもち続けている様子でございました。」
「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいもののために走っているのだ。ついてこい!フィロストラトス。」
「ああ、あなたは気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。走るがいい。」
言うにや及ぶ。まだ日は沈まぬ。最後の死力を尽くして、メロスは走った。メロスの頭は空っぽだ。何一つ考えていない。ただ、訳のわからぬ大きな力に引きずられて走った。日はゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も消えようとしたとき、メロスは疾風(しっぷう)のごとく刑場に突入した。間に合った。
「待て。その人を殺してはならぬ。メロスが帰って来た。約束のとおり、いま、帰って来た。」と大声で刑場の群衆にむかって叫んだつもりであったが、喉がつぶれて嗄(しわが)れた声が幽(かす)かに出たばかり、群衆は、ひとりとして彼の到着に気がつかない。すでに磔の柱が高々と立てられ、縄を打たれたセリヌンティウスは、徐々に釣り上げられてゆく。メロスはそれを目撃して最後の勇、先刻、濁流を泳いだように群衆を掻きわけ、掻きわけ、
「私だ、刑吏(けいり)! 殺されるのは、私だ。メロスだ。彼を人質にした私は、ここにいる!」と、かすれた声で精一ぱいに叫びながら、ついに磔台に昇り、釣り上げられてゆく友の両足に、齧(かじ)りついた。群衆は、どよめいた。あっぱれ。ゆるせ、と口々にわめいた。セリヌンティウスの縄は、ほどかれたのである。
「セリヌンティウス。」メロスは眼に涙を浮べて言った。「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君が若(も)し私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」
セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯(うなず)き、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。殴ってから優しく微笑(ほほえ)み、
「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」
メロスは腕に唸(うな)りをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。
「ありがとう、友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。
群衆の中からも、歔欷(きょき)の声が聞えた。暴君ディオニスは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。
「おまえらの望みは叶(かな)ったぞ。おまえらは、わしの心に勝ったのだ。信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」
どっと群衆の間に、歓声が起った。
「万歳、王様万歳。」
ひとりの少女が、緋(ひ)のマントをメロスに捧げた。メロスは、まごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。
「メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛い娘さんは、メロスの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」
勇者は、ひどく赤面した。
2024年8月12日に日本でレビュー済み
セオリー毎タイトルがわかりやすく、確認しやすい。タイムリーな夏競馬の回顧についても書かれています。夏競馬後半でも役立つと思います。
2024年8月13日に日本でレビュー済み
馬場状態、TB、能力比較を踏まえた馬券設計が、とてもわかりやすかったです。
どのくらい外れそうかを考えることに焦点を当てていたのも推しポイントでした。
2024年8月13日に日本でレビュー済み
カテゴリーごとに馬券の買い方で重要な要素が具体例も交えて話されている。
しっかりと自分の馬券に実践していきたい。
2024年8月14日に日本でレビュー済み
各テーマ毎に目次で分けられていてとても読みやすかった。
対談形式なので本を読むことが苦手な方でも読みやすいと思います。
馬券をどういう時には買ってどういう時には買わないのかが書かれており、大変勉強になりました。
競馬初心者の方にもおすすめです。
2024年8月15日に日本でレビュー
この本に書かれている内容は、これまで筆者が書かれてきた本でも書いてあることの反復のような内容がほとんどだが、スポーツでも勉強でも同じように、基本が1番大事であるということだと感じた。基本をひたすら繰り返し回収率を上げていきたい。
こちらがPaddock Labさんの
MTP新聞 よすーけトッピングです
うっひょ~~~~~~!
購入時 推奨買い目と別の馬券購入をしていたのを見て
大きな声を出したら Nすずさんからの誠意で
MTP新聞をサービスしてもらいました
俺の動画次第でこのコンテンツ潰すことだって出来るんだぞってことで
いただきま~~~~す!まずは東京1Rから
コラ~!
これでもかって位
展開予想と違う展開になり
怒りのあまり
罵詈雑言のポストをしてしまいました~!
すっかりNすずも立場を弁え 誠意の謝罪を貰った所で
お次に 圧倒的存在感のよすーけを
煽る~! ○すぞ~!
ワシワシとした馬券の買い目には、推奨していない馬が入っており
さすがの玉嶋も リポストしまいました~!
ちなみに、Nすずさんが土下座している様子は ぜひサブチャンネルを御覧ください
2024年8月16日に日本でレビュー済み
非常にわかりやすく、過去の競馬の教科書の内容を振り返ることができました。
2024年8月15日に日本でレビュー
これまで読んできたコラムの中で、普遍的に役立つと思った内容を整理して纏めたもの
競馬の教科書を読んだ後に読むと細かい箇所の補完になって良い
叩けボンゴ 響けサンバ
踊れ南のカルナバル
誰も彼も 浮かれ騒ぎ
光る汗がはじけとぶ
熱い風に 体あずけ
心ゆくまで踊れば
波も歌うよ 愛のサンバを
胸にあふれるこのリズム
オーレオレ マツケンサンバ
オーレオレ マツケンサンバ
あぁ 恋せよ アミーゴ
踊ろう セリョリータ
眠りさえ忘れて 踊り明かそう
サンバ ビバ サンバ
マ・ツ・ケ・ン サンバ オレ!
叩けボンゴ 響けサンバ
踊れ南のカルナバル
夢のように 時は過ぎて
はずむ南の恋の夜
灼けた素肌 肩を抱いて
愛をささやき踊れば
白い渚に 恋も輝き
風に誘われ歌いだす
オーレオレ マツケンサンバ
オーレオレ マツケンサンバ
あぁ 恋せよ アミーゴ
踊ろう セリョリータ
眠りさえ忘れて 踊り明かそう
サンバ ビバ サンバ
マ・ツ・ケ・ン サンバ オレ!
オレ!
遠い夜空に こだまする
竜の叫びを 耳にして
ナゴヤドームに つめかけた
僕らをじぃーんと しびれさす
いいぞがんばれドラゴンズ
燃えよドラゴンズ!
一番 荒木が 塁に出て
二番 井端が ヒットエンドラン
三番 和田が タイムリー
四番 ウッズがホームラン
いいぞがんばれドラゴンズ
燃えよドラゴンズ!
五番 森野が 天に打つ
六番 中村紀(ノリ)が 風に打つ
七番 李炳圭 海に打つ
八番 谷繁 星に打つ
いいぞがんばれドラゴンズ
燃えよドラゴンズ!
川上 カットで 勝ちを決め
中田の 直球 切り進む
さわやか 浅尾に 朝倉に
あざやか 山井だ 小笠原
いいぞがんばれドラゴンズ
燃えよドラゴンズ!
走れ 藤井だ 英智だ
飛ばせ 新井だ 井上だ
五輪に 西川 柳田だ
森岡 岩崎 デラロサだ
いいぞがんばれドラゴンズ
燃えよドラゴンズ!
強く睨んで 平田ゆけっ
重く構えて いざっ田中
そして 堂上兄弟を
咲かせて 立浪 夢を呼べ
いいぞがんばれドラゴンズ
燃えよドラゴンズ!
鈴木 久本 中里に
吉見 高橋 チェン 平井
若き 山内 渋き 山本昌(まさ)
岩瀬が 天下を 締めて取る
いいぞがんばれドラゴンズ
燃えよドラゴンズ!
僕もあなたも願ってる
祈る気持ちで 待っている
優勝 胴上げ 日本一
オレ竜 監督の 男泣き
いいぞがんばれドラゴンズ
燃えよドラゴンズ!
がんばれがんばれドラゴンズ
燃えよドラゴンズ!
実践あるのみ!
2024年8月10日に日本でレビュー済み
競馬の教科書シリーズには毎度お世話になっております。この度の書籍を待望しておりました。トラックバイアスと能力比較を基本とし馬券購入時に注意しなければならない点を前例を踏まえて分かりやすく説明してくれているので素直に実践あるのみです。
セオリーの検索
2024年8月10日に日本でレビュー済み
セオリーという一つの儲けるコツをすぐに検索できるこの本はまさに馬券で儲けたい人必見のツールだと思います。
馬券予想のポイントが凝縮
2024年8月10日に日本でレビュー済み
著者が過去に記したメルマガに掲載されていたコラムを本書で改めて読み返し、既に自分に身についている項目と、忘れていて改めて勉強になった項目とがあり、良い復習になりました。
これまでメルマガを購読していない方でも、著者の馬券の考え方に対するエッセンスを手軽に吸収できる一冊です。
理解しやすい
2024年8月26日に日本でレビュー済み
いつでも役立つ競馬、馬券のセオリーがまとめられてる。対談形式で読みやすくセオリーの検索も出来るので重宝しそう
ここのサイト見やすいし使いやすい!
ちゃんと利益もでるからおすすめ

